















で、トトロみたいにこーんなに大きくなるの?






アボカドの水耕栽培は、お金をかけずに、自宅で気軽に始められる植物育成方法です。
存在感のある種からすらっと伸びる茎と、緑鮮やかで大きめの葉っぱが可愛らしいです。
0円で簡単に作れる栽培容器の作り方、種の扱い方、発根・発芽の各段階でのお手入れ方法、よくある失敗例と対策まで、私が経験し、調べたことをすべてお伝えします。
初めての方でも簡単にアボカドの水耕栽培を成功させることができますよ。
水耕栽培とは?
「水耕栽培」とは、土を使わずに水だけで植物を育てる方法で、「ハイドロカルチャー」とも呼ばれます。
水耕栽培にはハイドロボールと呼ばれる軽石やジェルボールを使用する方法や、スポンジを使用する方法もありますが、私のおすすめは水だけで育てる方法です。
水だけなので、掃除が簡単、コバエなどの虫が発生しない、根の成長がよく見えるため教育にもなる、根の異常に気付きやすいなどのメリットがあります。
ハイドロボールでの栽培も何度かチャレンジしましたが、藻の繁殖やカビの発生により上手く管理することができなかったため、現在はすべて水だけで育てています。
水耕栽培は、お洒落な容器もたくさん販売されているのでインテリアとしても人気です。
この記事では、水耕栽培でアボカドを育てる方法をお伝えしていきます。
アボカドの特徴
和名 | ワニナシ | アメリカに輸入されたときに、ワニのようにゴツゴツした表皮と洋梨のような形状から「alligator pear」と呼ばれ、和名もそのまま「ワニナシ(鰐梨)」になった |
科目 | クスノキ科 | 日本での近縁の種はクスノキ科のタブノキ |
原産地 | メキシコ、南アメリカ | |
性質 | 熱帯・亜熱帯の常緑樹 | 成長が早く樹高は20mほどになる |
発芽適温 | 15~25℃ | 室内ならいつでも発芽可能 |
生育適温 | 15~33℃ | 寒さには強くないので冬の屋外は避ける |
その他 | ・1,000品種以上あると言われているが、日本で流通しているアボカドの99%はハス種 ・「最も栄養価の高い果実」としてギネス認定されている ・良質な不飽和脂肪酸を多く含むことから「森のバター」と呼ばれる |
水耕栽培容器の作り方
<用意するもの>
- 500mlのペットボトル(キャップは使いません)
- カッターナイフ
ペットボトルの形状は丸でも四角でも大丈夫ですが、丸の方が切りやすいです。
ペットボトルを点線のあたりで切り取り、飲み口の方をひっくりかえしてはめ込みます。


※カッターナイフで指を切らないように注意してください。また、切り口がギザギザになったり、ささくれができたりしやすいので、触って引っかかるところがあればきれいに処理しておいてください。
<専用容器ならお洒落なインテリアに>
ペットボトルでも十分楽しめますが、芽が出ると愛着が湧いてきて、お洒落な容器に移してあげたくなります。
一般的な水耕栽培容器でも大丈夫ですし、アボカド専用の容器も販売されているので、お気に入りの容器を探してみてください。


【種の採取】
種はスーパーなどで売られているアボカドから採取します。
ポイントは以下の2つです。
- 完熟させてから採取する
- 冷蔵庫には入れない
完熟させてから採取する
完熟させたアボカドから採取した種の方が、発芽の成功率が高くなります。
完熟させた方が美味しいですしね。
濃厚でコクがあるのでシンプルにわさび醤油でもいいですし、お刺身と一緒に漬けにするのもオススメです。
完熟状態を見極めるポイントは、皮が黒っぽくなってきたか、軽く握ってみて表面が柔らかくなっているか。
まだ青いうちにスーパーの棚に並べられたアボカドは、完熟するまでに何日もかかり、うっかり腐らせてしまうこともあります。
もったいないので、すでに完熟しているものを購入するか、リンゴやバナナと一緒に袋に入れておくことで追熟を促進することができます。
冷蔵庫には入れない
アボカドは熱帯・亜熱帯の植物なので、寒さにはあまり強くありません。
発芽の成功率が下がるので、冷蔵庫で保管しないように注意しましょう。
アボカドの切り方
完熟したアボカドは、潰れやすく、油分で滑りやすくなっています。
安全にキレイに切るにはコツがあります。
① 中心で横向きに包丁を入れ、種に当たったら、アボカドを回転させて包丁を一周させる




② アボカドをねじって上下を切り離す


③ 種の付いていない方は、縦に半分に切って、手で皮を剥く
④ 種がついている方は、縦に包丁を入れ、種に当たったら①の要領で包丁を半周させる


⑤ アボカドをねじって左右を切り離す


⑥ 種を取る


次の工程のために、採取した種は食器用洗剤でよく洗っておいてください。
【種まき】種を水耕栽培容器にセット
作成したペットボトル容器に種をセットして、種の3分の1が浸かるように水を入れます。
これだけで発芽してくれることもありますが、発芽率を高め、発芽までの時間を短縮する方法をお伝えします。
私はこの方法で100%成功しています。
- 種の上下を間違えない(卵と同じように少し尖っている方が上です)
- 薄皮をきれいに剥く
- 薄皮を剥いた後、種の下部を2ミリ程度、上部を5ミリ程度カットする








ちなみに、薄皮を向いた状態でつまようじなどで傷をつけると、時間が経つと傷をつけた部分だけ黒く変色します。
これを利用して種に顔や模様を描いておくと愛着が増しますよ。


置き場所とお世話の方法
置き場所はキッチンやリビングなどで大丈夫です。
窓際に置く場合は直射日光が当たらないようにしてください。
水が減ってきたら水を継ぎ足して、3日に一回は水をすべて入れ換えます。
1週間程度で種が左右に割れ、中に根と芽の元になる部分が見えてきます。
そこから早ければ1週間程度で根が伸びてききます。
【発根】根が出たらやること
種をセットしてから2〜3週間ほど経つと、根がどんどん下に伸びてきます。
この段階では、水が根の3分の1程度つかるように調整します。
根は酸素も必要とするので、水に浸からない部分を作り、呼吸できる状態にしてあげるのです。
芽も少しづつ成長し、種から頭を出すのが待ち遠しくなります。
メネデールという植物活性剤を使用することで成長を促進することができるので、早く強く育ってほしいと思ったら使ってみてください。


【発芽】芽が出たらやること
種をセットしてから1〜2ヶ月ほど経つと、種の割れ目から芽が顔を出します。
日当たりについて
葉は日光を必要とするので、この段階からは窓際に置くようにしましょう。
我が家はマンションで、北側の部屋は共用廊下のため日当たりが悪く、南側の部屋は子どもたちと猫がいるため植物を置くことができません。
そこで、安全な北側の部屋に植物育成用のLEDライトを設置して植物を育てています。
植物の成長に適した色調になっていますし、真上から1日中照らしてくれるので、植物がすくすく育ってくれます。
日光が足りないと光を求めて上へ上へとひょろひょろと伸びてしまうので(徒長といいます)、日当たりが足りないと感じたら、植物育成ライトの使用を検討してください。
肥料について
これまでは種の栄養分だけで育ってくれましたが、芽が出てからは栄養を与える必要があります。
土と違って、水には栄養が含まれないためです。
液体肥料を水に混ぜることで栄養を供給していくのですが、一般的な液体肥料は土での栽培を前提として作られているため、水耕栽培には向きません。
1週間に1回程度、「微粉ハイポネックス」を1,000倍に薄めた水で、水換えをしてください。
土への植え替えは必要?
室内で観葉植物として育てる分には、水耕栽培でも十分楽しむことができます。
ただし、せっかく育てるのだから大きく育てたい、花を見てみたい、実を収穫してみたいと思うのであれば、この段階で土に植え付ける必要があります。
水の中と土の中では条件が全然違うので、根もそれぞれに適した状態に育つそうです。
なので、早いうちにどちらで育てるか決めてあげた方が、植え付け時の根への負担が小さくなります。
また、大きく育てるためには十分な光の量も必要になるので、屋外に出して日光を浴びさせるか、大きめの植物育成ライトを用意してあげましょう。


こちらは屋外の半日陰で、土で育てているアボカドです。
芽が出るまでの日数は水耕栽培よりも長くかかりましたが、茎が太く短く、葉の数が多く充実している印象です。
よくある失敗例と対策
葉が乾燥する
エアコンの風が直接当たると、葉が乾燥したり、風量が強い場合はストレスを与えたりする可能性があります。
気にしなくても大丈夫という意見もありますが、何か異常を発見したら置き場所を見直してみましょう。
根が腐る
根が常に水に浸かっていたり、水換えの頻度が足りずに水質が悪化したり、水温が上昇したりすると、上手く呼吸ができずに根が腐ってしまうことがあります。
根腐れを起こすと、根が黒ずんでくる、カビが生える、溶けるなどの症状が現れます。
適切な水位を保つこと、こまめに水を換えること、直射日光をさけることが重要です。
根が裂ける
肥料が多すぎると、浸透圧の関係で根の細胞中の成分が水中に流れ出て、根を傷つけてしまう可能性があります。
根が傷つくと水分を十分に吸い上げることができなくなり、葉が萎れ、丸まってしまいます。
気づいたときにはもう手遅れということもありますので、肥料の量・回数はちゃんと守りましょう。




上の画像のアボカドは、肥料の与えすぎにより根が裂けてしまっています。
どんどん新しい根が出てきて、新芽も出てくるのですが、葉が大きくなると、水分が足りずに萎れた状態になってしまいます。
メネデールで治療中です。
カルスをとってしまう
根を観察していると、ポツポツと白い塊がついていることがあります。


指で擦ると簡単に取れます。
しかし、これはカルス(未分化組織)といって、根が出てくる前の状態なので、取る必要はありません。
藻が生える
藻は光と栄養さえあれば増殖します。
肥料の入った水で育てる水耕栽培では、藻が発生することがよくあります。
藻の発生自体は問題ではありませんが、放置して増殖すると、植物にダメージを与えます。
対策として、こまめに水換えをする、容器をよく洗うことが効果的です。
葉が茶色く変色する
アボカドは日光が好きな植物ですが、夏場の直射日光はキツすぎるようです。
葉が焼けて茶色く変色してしまったり、水温・土の温度が上昇することで根腐れが起こったりします。
室内の場合はレースカーテンで和らげる、屋外の場合は遮光ネットで調整するなどの対策が必然です。
また、急な環境の変化に適応できていない可能性もありますので、室内→日向などの急激な変化は避け、室内→日陰→日向のように段階的に慣らしていくようにしましょう。
気温15℃以下は避ける
アボカドの生育適応は15℃〜33℃です。
日本では屋外で越冬するのは難しいので、冬場は室内に入れてあげてください。
終わりに
何気なく捨ててしまっていたアボカドの種から芽が出て大きなっていく過程を見ると心が癒されますよ。
色々なお洒落な容器に入れてあげたり、土に植え替えて屋外で育ててみたり、色々な楽しみ方ができます。
食べて美味しく、育てて楽しいアボカドを早速買いに行きましょう!
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